学会開催報告Conference Emergency Medicine Report
第19回へき地・離島救急医療学会学術集会の御礼
大会長 崎原永作 Eisaku Sakihara
公益社団法人地域医療振興協会 理事
沖縄地域医療支援センター センター長
気がつけば12月に入っています。大会が閉会してからもう1ヵ月近くになろうとしています。遅くなりましたが、第19回へき地・離島救急医療学会学術集会の報告と御礼を申し上げたいと思います。
第19回へき地・離島救急医療学会学術集会in沖縄は、10月23日の交流会そして24日の学術集会と大盛況のうちに終えることができました。これもひとえに学会関係者の皆様のお力添えのおかげであると深く感謝いたしております。
今大会は直前まで台風24号の迷走に翻弄され、大会の開催も危ぶまれましたが、幸いにして22日の午後4時に熱帯低気圧に変わり事なきを得ました。どうにか大会の開催に漕ぎ着けましたが、強い要望がありました恒例のオプショナルツアーを実施できなかったことはお詫びしなければなりません。そこで、その代わりと言ってはなんですが、大会前日に全国から集まっていただく方々を歓迎するための交流会を開かせていただきました。交流会では大会の後援を引き受けて下さった沖縄県離島振興協議会の宮城副会長(北大東村長)から歓迎のご挨拶を頂きました。そして、この日のために用意した余興は琉球舞踊とギターの弾き語り。琉球古典音楽野村流保存会のメンバーによる歌三線の調べにのり、「四ツ竹」と「秋の踊り」を優雅に舞う公立久米島病院の津波婦長の琉舞に称賛の声が上がっていました。そしてかつてのギター少年が懐かしのS&Gサウンドを披露させていただきました。そして当学会を代表して前代表幹事をされていた自治医科大学教授の鈴川正之先生、現代表幹事の高山隼人先生のお二人からお言葉を賜り、食事を楽しみつつ、翌日の学会本番に影響が出ない範囲で時間の許すかぎり交流を深めていました。
学術集会当日のオープニングは大会長講演として、離島県沖縄の歴史と課題についてお話させていただき、特別講演として自治医科大学の救命救急センター長・救急医学講座教授の鈴川正之先生にへき地・離島救急医療とメディカルコントロールと題してご講演をいただき、メインシンポジウムは『離島救急の未来〜沖縄からの提言〜』をテーマに実際に沖縄県の離島救急搬送を担っておられる、陸上自衛隊、海上保安庁、県のドクターヘリ、メッシュサポートの各担当責任者と今年の10月から離島の救急対応を一手に引き受ける離島119の沖縄県消防通信司令の責任者をシンポジストとしてお招きし、各団体の活動報告と取り組みをご発表していただきました。今後の離島急患搬送の発展のための連携強化へ向けた大きな一歩になりました。午後からの一般口演の部は会場を2つに分け、第一会場では救急搬送、地域医療をテーマに16題、第二会場では救急医療、看護の部で地域看護・教育看護をテーマに13題の発表があり、質疑応答も活発になされていました。また、今学会に先立ち行われた、第一回全沖縄離島診療所医師会議には県立診療所から13ヶ所のへき地・離島診療所医師があつまり、それぞれの診療所での創意工夫していることの発表や意見交換が行われ、それぞれの離島で直面している課題を共有することができました。そして、今回出席できなかった離島医師と自らの学会への出席を断念して、離島医師の学会出席のための代診に行かれた先生方に向けて、大会午前中のメインシンポジウムなどをインターネット配信したことをご報告して、本学術集会の報告としたいと思います。
皆様のご協力に深く感謝致します。